シナジリティトレーニングは、クラシック・バレエのレッスンメソッドの中から、柔軟性・体幹・姿勢・バランス感覚・コーディネーションなど身体の基礎的な動きを無理なく無駄なくしなやかにできるプログラムを組み合わせてつくられています。300年以上も研究されてきた基礎運動メソッドからエッセンスを取り込み、身体の運動機能を最大限に引き出すための基礎的なトレーニングです。
柔軟性を高めてケガを予防し、正しい姿勢で体幹を安定させ、バランスの良い身体の使い方を身につけることで、これからアスリートを目指す子どもたちの身体を大切にしながら、骨や筋肉の発達に合わせて運動機能の可能性を引き出すのがシナジリティトレーニングの大きな特徴です。
① 柔軟性…可動域を広げてしなやかな動きを生み出す
生活スタイルが変わり、床に座る機会が減ったためか、股関節周辺の柔軟性が極端に低い子どもが増えています。身体の中心であらゆる動きの起点となる股関節が動かないと、筋肉が働く範囲が狭くなり、様々なケガや傷害の原因になります。オスグッドやシーバー病など、成長期特有の骨が変形する恐れのあるジュニア期の傷害につながるリスクも高くなります。
シナトレでは、骨格が発達する前の時期に正しいストレッチの方法を学び、習慣づけることによって痛い思いをせずに柔軟性を向上させ、身体の運動機能を最大限に引き出すしなやかな動きとボディコントロールができるようになります。
② 体幹…体軸を安定させて最大パワーを発揮する
体幹だけ鍛えても、身体を自由に動かせるわけではありません。まず、股関節を中心とした柔軟性と正しい姿勢を修得した上で体幹筋群をトレーニングすることで、体軸を安定させながら機敏に動くことができるようになります。
シナトレでは、年齢や体格などに応じて柔軟性と筋力のトレーニングバランスをコントロールし、少しずつしなやかで強い動きができるようにしてゆきます。
③ 姿勢…重心の位置を整えバランス感覚を磨く
運動靴の性能が高くなり、裸足で歩く機会も減ったことで、足裏の感覚や筋力が著しく低下し、頻繁に捻挫をしたり、偏平足になったりする子どもが増えています。足底でしっかり体重を支えられないと姿勢が悪くなります。猫背の人は、正しい姿勢の人の4~5倍の負担が足にかかるというデータもあります。
シナトレでは、正しい姿勢とはどういう状態なのかを視覚と感覚の両方で理解し、それを維持しながら、重心の位置を調整することで身体全体のバランス感覚を磨いてゆきます。大きなジャンプや複雑なステップを行うときも、姿勢バランスを意識することで膝や腰に大きな負担がかからないようにし、ケガのリスクを最小限に抑えます。
④ コーディネーション…思い通りに身体を動かせるようにする
ゴールデンエイジと呼ばれる神経系運動機能が急激に発達する時期には、身体のいろいろな部分を同時に動かしてコントロールする動きを多く取り入れると運動能力が伸びると言われています。
シナトレでは、音楽に合わせて足の動き(ステップやジャンプ)、腕の動き、顔の方向、隊形移動などを同時に組み合わせた多様なプログラムを行います。利き足や利き手だけではなく、左右のバランスを整えるために左右対称、前後交代にするなど、毎回違った動きを瞬時にできるように脳のトレーニングも同時に行います。
⑤ フットワーク…俊敏性と巧緻性を兼ねたキレのある動き
自由に動くようになったしなやか身体を、素早く、上手く、強く動かすためのフットワークトレーニングを合わせて行います。より高くジャンプしたり、より素早く移動したり、より強く蹴ったりするためには、上肢と下肢を上手く使うコツを掴む必要があります。体軸をぶらさずに動くための訓練と、腕や足をうまく使ってより大きく動く運動プログラムを行います。